高分子学会ピッチコンテスト「SPSJ Frontier」について

About SPSJ Frontier


高分子学会ピッチコンテスト「SPSJ Frontier」は、歴史ある化学の発展に大きく貢献してきた高分子学会が主催、高分子学会同友会と素材・化学分野に特化したベンチャーキャピタルであるユニバーサル マテリアル インキュベーター株式会社が共同運営するインキュベーション・アクセラレーションプログラムです。

スタートアップや既存企業のカーブアウト(事業分離)、これから起業する挑戦者をサポートし、具体的な事業プランを企業・投資家等とつなぎあわせながら、皆様の成長とイノベーションを実現することで化学産業のエコシステムを醸成します。

「SPSJ Frontier」では、アイデアや技術の事業化を目指す方のビジネスプランを募集します。
本プログラムにご参加いただいた皆様には、事業化までの一連を学べるだけでなく、着想点や過去の事例、プログラム修了後に具体的・継続的な事業化支援をご提供します。

ご挨拶

Greeting


平素は高分子学会に対して格別のご高配を賜り厚くお礼申し上げます。 
高分子学会は、本年12月2日をもって、設立70周年を迎えることとなりました。

学会設立70周年を記念して、ユニバーサル マテリアルインキュベーター株式会社様にご協力をいただき、SPSJ Frontierという名で、大学発の高分子革新技術を産に繋ぐ新たなコンテストを企画いたしました。

ぜひ、本行事に奮ってご参加いただき、皆様の成長とイノベーションを実現することを期待いたします。

高分子学会 会長 秋吉 一成

About SPSJ Frontier分子モデル

ピッチコンテスト結果発表

Winners

SPSJ FRONTIER AWARD 2022BEST PERFORMANCE AWARD

チーム5イメージ

東京大学大学院工学系研究科応用化学専攻
准教授

Nobuhiko Hosono


メンバー植村 卓史

「穴」に通して高分子の分離精製を簡単に・正確に:MOFgraphy

高分子の精製に困っていませんか?高分子化合物の発見から100年が経ち、その合成技術は大きく発展しました。一方、高分子の精製技術はほとんど進歩しておらず、従来の方法では高分子構造を分子レベルで識別し分離することは困難です。そのため現在の高分子の精製工程はロスが多く、膨大なエネルギーと資源を必要とします。特に純度の高さが求められる高分子医薬品開発においては、精製工程が深刻な高コスト化に繋がっています。私達は分子サイズの「穴」に高分子を通して構造を見極め、正確な分離精製を可能にする新しい技術:MOFgraphyを開発しました。本事業では、MOFgraphyにより従来の高分子精製に関する問題を解決する次世代ソリューションを提供します。

SPSJ FRONTIER AWARD 2022OUTSTANDING PERFORMANCE AWARD

チーム2イメージ

国立研究開発法人 物質・材料研究機構 (NIMS)
機能性材料研究拠点 スマートポリマーグループ
筑波大学大学院 数理物質科学研究群
応用理工学学位プログラム NIMS連係物質・材料工学サブプログラム
荏原研究室

Makoto Sasaki


メンバー藤澤 七海・高橋 可保・荏原 充宏

途上国・被災地でも利用可能なウェアラブル血液浄化装置の開発

本テーマでは、途上国や被災地において慢性腎不全患者の命を救うことを目標にしています。慢性腎不全の治療法として、先進国では血液透析療法が確立しています。しかし、血液透析は1回の治療に約120 Lという大量の水を必要とするなど、インフラに強く依存した治療であるため、途上国では実施が難しく、多くの慢性腎不全患者が治療を受けることなく命を落としているのが現状です。そこで私たちは、水を一切使用しない治療装置の製品化を目指し、開発に着手しました。ナノファイバーから作製されるフィルターを基盤とする、小型のウェアラブル血液浄化装置により途上国や被災地での慢性腎不全治療を可能とします。

チーム4イメージ

千葉大学 大学院工学研究院
共生応用化学コース
エネルギー変換材料化学研究室(第8研究室)准教授

Daisuke Aoki


メンバー阿部 拓海・森田 稔・山口 廣信・神谷 岳洋・沼田 圭司

プラスチックを肥料に変換するリサイクルシステムの事業化

本提案では、廃棄プラスチックを回収し、モノマーと尿素へと変換するリサイクルシステムを構築する。生成したモノマーは、再度重合すれば、ポリマーを再生でき(ケミカルリサイクル)、尿素は肥料として使用できる。すなわち、プラスチックをリサイクルするだけでなく、そのプロセスで植物の生育を促進する「肥料」を生成する革新的なリサイクルプロセスの事業化を目指す。

SPSJ FRONTIER AWARD 2022SPECIAL AWARD

チーム1イメージ

東京大学大学院 新領域創成科学研究科
物質系専攻
工学部応用化学科(兼担)
伊藤・横山研究室 助教

Shuntaro Uenuma


メンバー伊藤 耕三・齊藤 雅之・數實 治己・鹿野 友美

環状オリゴ糖から成るナノシートを用いた薬効成分の高効率吸収が可能な点眼薬の開発

人間や動物の眼には絶えず涙が流れており、異物が入ってきたときには排斥能が特に高まる。治療薬を点眼する場合も同様であり、点眼薬は強く排斥されてしまう。そのため一日に複数回点眼する必要があり、コストの増加や、吸収されなかった治療薬による副作用が課題となっている。私たちは、当研究室においてごく最近見出された環状オリゴ糖から成る多孔性ナノシートを用いて、本課題の解決に取り組んでいる。この新しいナノシート材料は優れた分子吸着能と材料表面への付着性を有している。これらの性質を活用した眼球表面に付着するナノシート状薬剤キャリアの開発を中心とする事業計画と今後の展望について発表。

チーム3イメージ

国立研究開発法人 物質・材料研究機構
機能性材料研究拠点

Mizuki Inoue


メンバーEdhuan Ismail・一ノ瀬 泉

ソフトPDMS吸着材による海洋天然ガスからの低コストCO2回収事業

高濃度CO2を含む天然ガス田は、東南アジアを中心に多数存在しており、非在来型のエネルギー資源として期待されている。しかしながら、ガス中の高濃度なCO2を従来技術(アミン吸収法・物理吸収法など)では経済性のあるコストで処理できないため、開発が滞っている。私たちは、効率的に高濃度のCO2を回収できるソフトPDMS吸着材を開発した。さらに、ソフトPDMS吸着材を用いたCO2分離プロセスを開発し、当手法がエネルギー効率に優れ、CO2フットプリントを削減できることを示した(特願2022-25649)。加速する脱炭素市場において、本CO2分離技術が貢献できる可能性について発表。

Winners

Webinar

Webinar


応募について

応募資格やエントリーフォーム記載内容についてご案内しています。

「事業化を目指す先輩達」座談会

素材分野のアカデミアの研究から実際に事業化に向けて取り組まれている二人の先輩をお招きし、アカデミアの研究からベンチャーで事業化を目指すという事はどのような事なのか、実体験をお話いただいています。

<ゲスト>

東工大発ベンチャーのつばめBHB株式会社 井上様 

国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(QST) 星野様 

<モデレーター> 

ユニバーサル マテリアルズ インキュベーター株式会社(UMI) 木場

Webinar

募集テーマ

Application Themes

高分子革新力で切り拓く未来社会

高分子学会70周年テーマである「高分子革新力で切り拓く未来社会」が本ピッチコンテストの募集テーマです。
様々なご応募お待ちしております。

カーボンニュートラルのイメージ

カーボンニュートラル


Carbon-Neutral

SDGsのイメージ

SDGs


Sustainable Development Goals

高分子の革新技術のイメージ

高分子の革新技術


Innovations in Polymer Technology

Award

SPSJ Frontier Award 2022<賞金 100万円 >
高分子の新技術に関して、事業性や将来性、社会的インパクトが大きい優秀なビジネスプランを発表した1チームに、賞金100万円を贈呈し、イノベーションの実現を支援いたします。

Award

応募要項

Application Guidelines

応募資格

Application Requirements

  • • 高分子に関する新技術の事業化を考えている・叶えたい方。
  • • 大学・研究機関等に在籍する研究員、大学院生、学部生等、アカデミア関係者。
  • • 国内外を問わない。
  • • 原則、40歳以下とし、グループでの参加も可。

募集期間

Application Period

2021年 11月8日(月)~ 2021年 12月24日(金)24:00締切

2022年 1月14日(金)24:00締切に延長

応募方法

Application Process

  • 1)下記よりエントリーフォームをダウンロード
  • 2)エントリーフォーム内容確認の上、必要事項記載
  • 3)ご自身のメールよりエントリーフォームを添付し、送信

※エントリーフォーム提出先は、エントリーフォーム内に記載あります。

Application GuideLines

1次審査通過者への特典

Benefits


ベンチャーキャピタルのキャピタリストが1次審査通過者と一緒に、事業計画策定を伴走します。

座学アイコン座学

事業計画作成にあたり下記を座学で学ぶ。

① 素材・化学産業での事業計画の立て方
②素材・化学産業におけるビジネスモデル
③効果的なプレゼンテーション

事業計画作成壁打ちアイコン事業計画作成
壁打ち

座学①で行う「素材・科学産業での事業計画の 立て方」で使う事業計画策定ワークシート、及び、UMIの投資検討のワークシートを用い、事業計画の立案を行う。

ビジネスモデルや市場ニーズを深堀りを行う。

市場調査ヒアリング学アイコン市場調査
ヒアリング

「事業計画作成壁打ち」で必要に応じて、マーケットレポートの購入、プロフェッショナルインタビュー、UMIネットワークによるプロインタビューを通じて、市場、顧客、パートナー候補の感度を確認する。

PoC実験アイコンPoC実験

「事業計画作成壁打ち」で必要に応じて、ビジネスモデル確認、ヒアリング(特に顧客候補)に必要なPoC試作を行う。

Benefits

審査基準

Judging criteria

< 基礎基準 >
  • 事業化の可能性が高いこと
  • 顧客ニーズを意識したビジネスプランであること
  • 将来性・実現可能性が高いこと
  • 事業化に対する情熱・熱意を有しており、良いチーム組成ができている もしくは その可能性が高いこと
  • 社会性を有しており、社会的インパクトが強いこと

Judging criteria

審査員

Judges

秋吉 一成イメージ

高分子学会 会長
京都大学大学院工学研究科高分子化学専攻、教授、工学博士

Kazunari Akiyoshi


1985年九州大学大学院工学研究科博士課程修了、工学博士。1985年米国パデユー大学化学科博士研究員。1987年長崎大学工学部工業化学科講師。1993年京都大学大学院工学研究科合成・生物化学専攻准教授。2002年東京医科歯科大学生体材料工学研究所教授。2010年京都大学工学研究科高分子化学専攻教授 現在に至る。 2011年JST ERATO 秋吉バイオナノトランスポーターPJ 研究統括兼任。2020年公益社団法人高分子学会 会長。

石塚 博昭イメージ

高分子同友会 代表幹事
三菱ケミカル株式会社 シニアエグゼクティブコンサルタント

Hiroaki Ishizuka


三菱化成工業株式会社に入社後、2012年~三菱化学株式会社代表取締役社長を経て2018年4月より国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、理事長。(現職中)
2012年~2018年までポリオレフィン等衛生協議会会長、プラスチック循環利用協会会長、経団連ヨーロッパ地域委員長、日本プラスチック工業連盟会長、新化学技術推進協会(JACI)代表理事会長、日本バイオプラスチック協会(JBPA)会長等を歴任。1972年東京大学理学部化学科卒業。

江頭 基イメージ

文部科学省研究振興局参事官
(ナノテクノロジー・物質・材料担当)

Motoi Eto


科学技術庁入庁。研究振興局ライフサイエンス課ライフサイエンス係長、北海道大学創成科学研究機構助教授、文部科学省科学技術・学術政策局産業連携・地域支援課補佐、東京大学研究支援担当部長、文部科学省官房付(併)内閣府政策統括官(科学技術・イノベーション担当)付参事官(戦略的イノベーション創造プログラム担当)付企画官などを経て、2021年4月より現職(併)内閣府科学技術・イノベーション推進事務局参事官。

林 隆一イメージ

株式会社巴川製紙所 取締役常務執行役員
広島大学デジタルものつくり
教育研究センター センター長

Ryuichi Hayashi


デュポンジャパン入社後、研究開発やマーケティングマネジメントを経験、執行役員時に技術開発本部設立。常務執行役員インダストリーバイオサイエンス事業部等管掌。現在、株式会社巴川製紙所取締役常務執行役員、広島大学デジタルものつくり教育研究センター長特任教授(兼務)、文部科学省科学技術・学術審議会臨時委員(兼務)、芝浦工業大学客員教授。東京工業大学卒、工学博士。

黒川 尚徳イメージ

株式会社東京大学エッジキャピタル
パートナーズ パートナー

Naonori Kurokawa


2009年東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC)参画。Physical science及びLife science分野のシード・アーリーステージ投資に注力。主な投資先はマイクロ波化学、908 devices、FLOSFIAなど。大阪大学工学研究科修了(博士)University of Chicago Booth School of Business修了 (MBA)

浦田 興優イメージ

日本材料技研株式会社 代表取締役

Koyu Urata


大学卒業後、電機メーカー、コンサルティング会社、投資会社を経て、2015年に日本材料技研(JMTC)を設立。大企業や大学の未活用特許をライセンスアウトし、量産技術確立や用途開拓を進めるファブレス型機能材料メーカーとして、樹脂原料・樹脂添加剤・セラミックス材料などの事業化に取り組んでいる。また子会社のJMTCキャピタルを通じて、ものづくり関連スタートアップに対する戦略的投資も行っている。

Judges

選考スケジュール

Selection Schedule

2021年11月8日(月)
募集開始
2021年12月24日(金)24:00
→2022年1月14日(金)24:00に延長
応募締切
2022年1月中旬
→下旬に変更
1次審査結果発表
2022年3月予定
発表練習会
2022年5月26日(木)
ピッチコンテスト

メンター期間

<メンター期間>ベンチャーキャピタルのキャピタリストが事業計画策定を伴走

Selection Schedule

主催

Organaizing

公益社団法人高分子学会


協賛

Sponsorship

旭化成株式会社


AGC株式会社


株式会社カネカ


昭和電工株式会社


住友化学株式会社


帝人株式会社


東ソー株式会社


株式会社日本触媒


三井化学株式会社


三菱ケミカル株式会社


宇部興産株式会社


ENEOS株式会社


株式会社ブリヂストン


企画・運営

Support

高分子同友会


UMI


お問い合わせ

Contact

トップへ戻る